象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

再び、Temuでの買い物を・・・安いものにはトゲがある?”その2”


 誰が言ったか知らないが、”選ぶ理由が値段なら買うな、悩む理由が値段なら買え”という言葉があるらしい。判り易く言えば、”高価でも欲しいと思ったら買え”って事だろう。
 全くのアホ臭だが、私にしてみれば逆も真なりで、”選ぶ理由が値段なら買え、悩む理由が値段なら買うな”である。つまり、”欲しくても高いと思ったら買うな”である。
 事実、このやり方で買い物をして以来、(気のせいかもだが)失敗した事も後悔した事も数える程しかない。


欲しくても高いなら・・・

 つまり、モノには基本的にはだが対価に見合う価値はないと思った方が間違いはない。言い換えれば、モノを買うという自己満足に投資してるだけで、故に中は空洞化し、いつかは大きく値崩れする。
 だが、買いたい時に何も考えず迷わずに買えるのが金持ちの特権でもある。では私みたいな貧乏人はどんな買い物をすればいいのか?「選択公準」みたいに、買い物する際の延々と無限に迷う選択に矛盾はないのだろうか?

 そんな矛盾を回避するには、欲しい物のそれも上位機種が値崩れした時を狙うのが理想だが。勿論、タイミングの見極めは難しいが、数学ほどに難しくはない。
 物の値段の大半は至極単純な理屈で決定する。つまり、”需要>供給”で値上がりし、”需要<供給”で値下がりする。故に、需要が急落すれば価格はぞの2乗の速度で一気に急降下すると、私は勝手に試算する。
 但し、供給も停止すればモノの価値は乱高下し、しばし大きな危険と賭けを伴うが、その頻度は限りなく少ない。従って、需要が殆どなくなり、供給がそこそこある時こそが狙い目となり、事実、それが現実のものとなろうとしている。
 実際に一部の商品では、ヤフオクよりもメルカリやフリマで落とした方が安くつくのも、その典型なケースであろう。勿論、後者での需要が伸びれば話は別だが・・

 話を昨年の10月末に戻すが、「安い買い物にはトゲがある」事を覚悟しつつ、再びTemuで買い物をした。
 今度は、スニーカー(写真)とロングTシャツ(3枚)とロングパンツ。Temuでは1度目は1400円以上で、2度目以降は2100円以上で送料が無料となる。故に、時間を掛けて商品を選ぶ。
 ロシア=ウクライナ戦争が長引いてるお陰で、物価が高値のまま元に戻らない。野菜も米もガソリンも高いし、それに伴い日用品までが高値止まりだ。
 こんな時は、多少危険でもアマゾンの半値近くで買える中華ECサイトに頼る愚かな自分がいるのも事実で、スマホの画面には未だに個人情報漏洩の危険性が高いアプリの勧誘がやけにしつこい。が、それさえなければ、そこそこ使えるショップサイトではあるのだが・・・

 今回はスニーカーがメインで、近くのディスカウント店では千円前後で買えたのが、今や倍近くにまで値上がっていた。ロングTシャツも安いので500円、ロングパンツも千円と、まともに買えば合計で4500円近くになる。但し、アマゾンで買っても同様に高い。


貧乏気分でお買い物

 Temuサイト(PC版)には”ほしい物リスト”があり、気に入った商品は保存出来るが、人気の品はすぐに売り切れたり、値段がすぐに高くなる。故に、購入もタイミングが勝負だが、欲しいもの全てがタイミングよく安いとは限らない。つまり、何を幾らで妥協するかも重要になろう。
 今回は夏物のロングパンツ(492円)で妥協したが、ロングTシャツが3枚で893円と安いのが見つかったので、購入予定だった700円台の格安スニーカーから815円のジョグシューズに少しだけアップグレードした。が、買った後では1203円と値上がりしてたから、安くて人気の商品は価格の変動は思った以上に激しい。
 但し、ロングパンツと3枚セットのロングTシャツは価格の変動はなかったと思いきや、今見たらロングパンツは1100円程に値上がってたから、安い時期に買った事になる。

 ただ今回のサプライズは、値段以上に配送期間がとても短かった事。Temuの場合、出荷後8日以内に配達できなかった時は600円のクレジットが付与される。前回は丁度1週間で届いたが、今回はそれよりも早く、僅か5日で届く。
 内訳は、中国から日本に到着する迄に3日掛かり、それから1日半で自宅に届いた事になる。ま、それだけ流通の回転が恐ろしく早いという事だろうが、中国の本気度は末恐ろしい。
 実際に商品が届いてみて、いつも同様に包装は雑だが、モノはちゃんとしていた。
 まず、通常の半値に近い速乾性ロングパンツは夏物だが、生地は薄くともしっかりしてて、肌に密着し保温性も悪くはない。
 人気のジョグシューズも速乾性ではないものの生地は安っぽくなく、質感も写真で見るのとほぼ同じだが、靴底が軽くて薄いのには少し拍子抜けした。それに、殆ど期待してなかった3枚組のロングシャツは裁縫が少し雑だが、生地の質感と厚さとサイズと着心地は申し分なく、これが1枚300円を切る値段で売られてる事自体が驚きではある。

 今回の買い物は全て”安物買いにハズレなし”だったが、ロシア=ウクライナ戦争下においても、殆ど影響を受けない中国経済の底力を痛感する。
 中国の経済力(GDP)はアメリカについで第2位だが、実質の経済力(PPT換算のGDP)はアメリカを凌ぎ、日本の約4倍を誇る経済力の凄みが実証された訳だ。
 確かに日本も、バブル期は飛ぶ鳥を落とす程の勢いがあったが、ここまで凄くはなかった。
 「安い買い物には・・」でも書いたが、安く売り捌くには、それなりの理由はあるが、その記事の締め括りに”安いと言うだけで商売が出来る時代は遠い過去のものになる”と書いたが、どうやら大幅な修正が必要らしい。 
 つまり、今の不透明で混乱の時代に、安いと言うだけで商売が出来る時代は、これからも続くのかもしれない。


補足〜各社の購買戦略

 スポーツシューズのトップメーカー・ナイキ(米)が業績不振に陥っている。その理由は、小売店への卸を大幅に減らし、”D2C(Direct to Consumer)”へと舵を切ったのが裏目に出たとの事だ。因みにD2Cとは、卸売や小売業者を通さず、メーカーから消費者へ直接に販売する手法の事で、ナイキも人気商品の多くを自社ECサイトと直営店のみで販売する戦略に転換していた。
 以下、「なぜ今ナイキ離れが・・」より簡単に纏めます。

 一時はメディアなどでも高い評価を受けていたナイキだが、様々なメーカーの商品を見比べ、購入したい一般ユーザーには、小売店に並ばないナイキの商品は選べなくなった。
 ただ、それが全てではなく、ナイキに欠けていたのは”D4C(Direct for Consumer)、つまり“消費者の為”の視点にあるという。
 ユニクロは多様なアプローチでオムニ(統合)チャネルに取り組んだ。例えば、WEB限定商品を多数用意し、店舗内表示されたECサイトへの誘導を図る。反対にECサイトで購入した商品も店舗での受け取りや返品が可能で、SNSを活用した情報発信などにも力を入れ、店舗・EC・SNSを融合させている。
 つまり、顧客の視点に立ち、こうした統合チャネルを推進した事が、ユニクロのデジタル化成功の要因と言える。言い換えれば、顧客が検討・購入の際、”リアル⇔デジタル”や”オンライン⇔オフライン”を自在に選べるようにしたのだ。

 一方で、デジタル化を成功させるには、D2Cだけでは限界があり、ユニクロの様に、消費者の購買パターンを分析する必要がある。パターンとしては①ネットで調べネットて購入②ネットで調べ店舗で購入③店で調べ店で購入④店で調べネットで購入と、大きく4つに分けられる。そこに、多様な受け取り方法(自宅、対面、宅配BOX、店舗やコンビニなど)を加えたのが、現在のデジタル化が進む購買システムと言える。
 つまり、検討・購入もリアルとデジタルの双方で柔軟に行える環境を用意し、受取りにも多彩な選択肢を提供する事が小売りにおける”オムニチャネル”の本質であり、生命線でもあるという。
 ある調査によれば、顧客の半数が購買の決定を行う上でSNSが重要になると回答し、48%の顧客がネットで調べて店舗で購買すると回答し、19%が店舗内で商品を閲覧、購入はネットで行うと回答。検討・購入・受取りいずれも消費者の選択は臨機応変に多様化する。
 つまり、店舗とネットの行き来が生み出すデジタル化の流れは、今後も留まる事はない。
 以上、PresidentOnlineからでした。


最後に

 ナイキの不信を理屈ぽく語られてるが、所詮は、既に引退して20年以上が経つMジョーダンの人気に寿命が尽きただけの様な気もする。業績好調のユニクロとても、所詮はアパレル業であり、デジタル化を進めても薄利多売の過当競争下にあるのは避けられない。
 一方で、Temuもアパレル系や各種アクセサリーや小物系は安いが、家電やデジタル機器その他は他の各社と殆ど変わりはない。
 だが、実際にネットでそこそこの品質の物を安く購入できる事が証明されれば、わざわざ店舗に足を運ばなくとも、自宅にいながらショップサイトを巡るだけで済む。
 勿論、個人情報保護やセキュリティの問題は残り続けるし、ハズレが届けば返品とか返金とか面倒だし、そこら辺が欠点でもある。それに当然だが、外れたら困る様な少し高価な商品は、アマゾンや楽天などの保証や返金システムがしっかりした所で買う様にしている。

 顧客と言えど、大半は不特定多数の貧しい大衆に過ぎず、購買のプロでもないし、所詮は”安けりゃいい”との単純なスタンスで購入を検討する。”オムニチャネル”とか”D2C”や”D4C”と専門用語を並べても、購買の基本は(利便性もあるが)”安い事が全て”だろう。 
 一時流行ったコストコも、所詮はテーマパークの形をした外資系巨大スーパーに過ぎず、商品の多くがアメリカから輸入され、ドル高の影響を受け、米国内のインフレにより商品仕入れの段階で2重の値上げになってしまった。
 格安さが体感できなくなったら、大衆は離れていく。故に、昨今はローカルな地元密着型のディスカウント店が見直されていくだろう。

 そういう私も、野菜を買う時は近くの業務用スーパーで、肉を含めた生鮮品は隣町のディスカウント店で買う。衣類は古着屋かECサイトで、小物や日用品はオークションで、家電製品は保証と品質が信用できる楽天やアマゾンで揃える様にしている。
 全ては”安く買える”という事が前提で、流行りやブランドや純正でなくとも全く構わないし、人気のユニクロウエルマートも、全国展開するが故に、結局は高く付くブランドには変わりない。
 つまり我ら庶民は、名前や人気に群がるではなく、安さに群がる単純な習性を持つ生き物なのだろう。
 購買が庶民の娯楽でなくなる時、資本主義は衰退し、モノ造りやモノ文化も消滅するとしたら?でも、そういう質素な世界に今一度戻ってみたいもんである。