象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

夢が夢で終わる時〜されど大谷”その19”


 この夢は、大谷翔平ヤンキース戦で1回持たずにKOされた日(7/1)のその晩に見たものである。
 今や絶好調の大谷を心配してた筈もないが、何故こんな奇怪な夢を見たんだろうか?
 記事にしようか迷ったが、”夢が夢で終わった”事が確認できたので、紹介します。

 まるで、我が目を疑うような夢を見た。
 ”悪夢を超えた悪夢”を見たような気がした。というのも、この夢は明らかに500%?あり得ない話だからである。

 夢の舞台は、辺鄙な所に存在する古い旅館だった。その旅館に泊まってた私は、真夜中に大谷翔平に叩き起こされた。彼もまた同じ旅館に泊まってたのだ。
 因みに、大谷が夢に出るのは、前々回「その17」に引き続き、これで6回目である。

 ”ある人に逢いたいんだ。一緒に来てよ”
 大谷の横には恋人らしき女がいた。
 私は気が引けた。
 ”ランデブーなら2人で勝手に盛り上がればいい。それに私は邪魔だろ?”
 恋人も乗り気ではないらしい。
 しかし大谷は、女と私を連れ、旅館を飛び出した。真夜中というのに、真っ暗な闇の中へ”会うべき”人を探しに出かけたのだ。
 私は何度も断りたかった。
 しかし断ろうとする度に、大谷は何か理由を付けて、私の申し出を遮る。 
 それに目の前にいる大谷はとても本気だったし、体中から漲るオーラに包み込まれていた。
 私は気がつくと、彼の場を圧倒する雰囲気に飲み込まれていた。


NBAのスター候補

 大谷は、ある男を探していた。
 それはバスケットボールの選手で、NBAを嘱望できる程の若い男だった。
 私は大谷を疑った。
 ”そんな男が人気のない辺鄙な処で、それもこんな真夜中にうろついてる訳ないだろ?”
 彼は自信満々に言い放つ。
 ”私は約束したんだ。今日この時間にここに来るって”
 それでも私は不穏に思った。

 しかし、そのバスケットの男がやってきたではないか。身長は大谷よりやや大きい程だったが、ひと目見ただけで、唯ならぬ才能の持ち主である事は見抜けた。
 大谷はその男に近づくと、肩を叩きながら呟いた。
 ”君はもう安心だよ。オレがいるからNBAでも間違いなく活躍できる”
 男と大谷は、スポーツ仲間だったらしい。
 私は少しはホッとした。しかし恋人はずっと堅い表情のままだった。

 大谷もホッとしたのか、一仕事を終えたかの様な緩やかな表情を浮かべていた。
 将来のNBAのスター候補は、ポツリと囁いた。
 ”オレなんかで通用するのかな?”
 大谷は再び男の両肩に手をおいた。
 ”僕を信じて、全ては信じる事だよ。そうすれば、全ては上手く行く”
 私は大谷が全能の神様のように思えた。

 それでも私は、周囲には何もないこの場所が辺鄙すぎる様にも思えた。
 それに恋人らしき女は大谷には全く声を掛けないし、大谷も相手にしようとはしない。
 ”まさか、娼婦か?カネで雇った愛人か?”


疑惑のドリンク

 私はいち早くここを去りたかった。
 ”もう旅館に戻ろうよ。問題は解決したんだし、それにみんなで乾杯しようじゃないか。彼の成功の船出を祝って”
 大谷は釘を刺す。
 ”いや、まだやる事がある。もう少し付き合ってよ”
 大谷は、ポケットの中から”小瓶”を取り出した。
 ”これを飲んでほしい。不安な気分が一掃され、能力を最大限に発揮できるんだ”

 若い男は、少し怪訝な表情を浮かべる。
 ”僕は貴方の事を信頼してる。だから飲み物の中身を正直に教えてほしい”
 私も同感だった。
 ”彼の言う通りさ、万が一禁止薬物だったら、彼の人生はたったそれだけで終わっちまう”

 大谷は、少し曖昧な笑みを浮かべた。
 ”まだ僕を疑ってるみたいだね。スーパーアスリートなら誰もが当たり前の様に飲んでるものさ、何も心配は要らないよ”
 私は、大谷を少し疑う様になっていた。
 ”だったら私が先に飲もう。それで安全だと判ったら、君も飲む。それでいいよな?”
 今度は大谷がクビを振る。
 ”これはスーパーアスリート専用なんだ。一般人向けではない”
 私は言い放った。
 ”どういう事さ?まさか、水面下で流通してるホルモン強化系の薬物じゃないの?”
 大谷は大きく笑った。
 ”僕は映画に登場する様な<運び屋>なんかじゃないよ。市販されてる栄養ドリンクに特殊なバクテリアを入れてただけのものさ”
 若者は言い放つ。
 ”その特殊なバクテリアってのは、認可されてるの?”


微妙な思惑

 大谷は再び笑った。
 ”人の腸内に棲み着いてる、単なるバクテリアさ。認可も何もない筈さ”
 私も再び噛み付いた。
 ”でも一般人向けでないとしたら、何か副反応でもあるのかな?”
 彼は真顔で私を見つめた。
 ”強靭なアスリート向けだから、一般の人が飲んで、万が一健康被害でもあったら、メディアは大騒ぎし、救世主のバクテリアは無駄になる。
 それに強靭そうに見えるアスリートほどプレッシャーに弱いんだ。能力はズバ抜けても精神面で潰される事は、とても深刻な問題さ。だから一般人には強力過ぎる腸内細菌が必要なんだよ”

 私は少し納得した。
 ”腸はプレッシャーに弱いからな。腸活がスーパーアスリートを救うって訳か”
 ”つまり、そういう事さ”
 ”でも、色んな乳酸菌ドリンクやサプリが市販されてるけど、殆ど効いた試しがないな”
 ”それもそうさ、市販されてるのは所詮は嗜好品であり、医薬品ではないから”
 ”スーパーアスリート用に作られた医療用ヨーグルトって訳か?”
 ”ま、そう思ってもらえれば誤解はないね”

 私も若い男も大谷も、一斉に笑顔がこぼれた。しかし、女だけは全く表情を変えなかった。
 大谷は若い男にドリンクを手渡すと、男は一気に飲み干した。
 しばらくすると男は、少し眠くなったと呟き、地面にヘタりこむ。
 ”ここで寝ちゃうと風邪を引くな”

 私と大谷の2人で、若い男を旅館の大部屋の座敷に運んだ。
 何とそこには、10人ほどの大男の遺体が横たわってた。皆、口から奇妙な嘔吐物を吐き出してた。
 やがて、若い男は痙攣を起こし始め、同じ様な嘔吐物を吐き出し始めた。

 ”大谷よ、お前まさか?・・・”
 その時夢から覚めた。


夢から覚めて〜怪物は意外に脆い?

 正直言えば、バクテリア・ヨーグルトの件は少し脚色してはいる。しかし、夜中に大谷と歩いてた時、結構な時間、色んな事を話してたと思う。
 全てを思い出せる訳でもないが、何か重大な事を企んでるみたいだった。
 ただ言えるのは、いつもの大谷とは全く異なった人格だった。
 それまで夢に出てきた大谷は、気さくで礼儀正しく、どこにでもいる青年そのものであった。
 しかし今回の大谷は、明らかに別の一面を曝け出していた。
 私はもっと強く反対ですべきだった。しかし、夢の中での大谷がメジャーで大成功を収めつつあるスーパースターである事に気付く筈もない。

 それが恋人らしき女に唆(そそのか)されて、そうなったのかはわからない。でも非常に奇怪な存在だったのは確かだろう。
 今から思うと、某AV女優に似てなくもないが・・・

 ただ、私が思ってる以上に、NYY戦での1回持たずの呆気ない玉砕は、大谷自身に暗い影を落としたのは事実かも知れない。
 彼が夢の中で語った”スーパーアスリートはプレッシャーに弱い”というのが、そのまま現実になったとしたら?
 前回「その18」で、彼を破滅に追い込むのはお金だと言ったが、案外一般人には些細にも思える様な精神的ダメージなのかも知れない。
 そういった精神的不安を知らせる為に、大谷翔平が夢に出てきてくれたとしたら、これほど嬉しい事もない。

 もし、本当に大谷が不安に陥ってるのなら、私はこうアドバイスする。
 ”天才には、無限に広がる豊かな土壌さえあれば、それだけで十分である。プレッシャーや精神的不安なんて、無限の大気が吹き飛ばしてくれる。
 つまり、君は何も考えずに子供の様に無邪気にバットを振り、腕を振ってればいいだけだ”

 NYY戦でのノックアウトは確かに屈辱だったのは筈だが、一回りも二周りも大きく成長した事は確かだろう。
 私の夢の中での助言を聞いてたかどうかは知らないが、その後は6試合で4本塁打(MLBトップの32号)、投げては7回2失点で4勝目を挙げた。
 全く大谷翔平という男は、夢の中でも聖なる怪物である。